コミケが近づいてくると、SNSではサークルのお品書きが投稿され、巡回予定を立てる人も多くなります。そんな中、入稿したデータが文字化けを起こしてしまい、本来「やる気」だったはずが「もり気」と表記されたグッズが仕上がった、というサークルの悲痛な声がTwitterに投稿されました。

 Twitterユーザーのどんこさんは、鉄道系サークル「えあせく」のメンバー。サークル名の「えあせく」は、電化区間において電気を供給する変電所が切り替わる部分「エアセクション」がモチーフになっています。

 鉄道系サークルということもあり、鉄道を題材とした同人誌のほか、鉄道モチーフのグッズも作成している「えあせく」。前回のコミックマーケット100(2022年夏コミ)で、電車の運転席にあるスイッチをモチーフにして「やる気」というスイッチ銘板をグッズとして頒布しました。

 これが好評だったこともあり、前回は直流電源(=)のみだったので、今度は交流電源(~)の「やる気」スイッチ銘板も追加で作ろうと企画したのだとか。

 原稿は業者さんの指定もあり、文字データを加工し、PDF変換ソフトでPDFに変換。そのPDFデータを業者さんに送り、作成してもらうことに。

 納品された銘板を見て、どんこさんは衝撃を受けました。「やる気」と入力して入稿したはずの文字が、なぜか「もり気」となっていたのです。

 「目を疑う、とはこの事なのだと思いました。急いで制作業者様に連絡を入れ、サークルメンバーで話し合いをしました」

 念のため入稿データを確認してみると、やはり「やる気」だった文字列が「もり気」と表示されています。どうやら、どこかの過程で文字化けが発生した模様。

 入稿したデータの時点で「もり気」となっていたのですから、業者さんの責任を問うわけにはいきません。手元に残った「=もり気(直流版)」と「~もり気(交流版)」スイッチ銘板、せっかくだから頒布してみよう、とTwitterでどんこさんが画像をアップしたところ、謎の言葉も手伝って大反響となりました。

 「これほどまで多くの反応をいただけるとは思いませんでした。コロナ禍のコミックマーケットはチケット制で、以前より一般参加の方が減ったこともあり、通りすがりに見て面白がっていただける機会が少なくなってしまいました。こういった形でもサークルの活動が皆様の目に触れる事が出来て、嬉しい限りです」

 謎の言葉ではありますが、解釈のしようによっては「もりもりあふれる気」とも思え、やる気よりもう一段「盛った」感じの気合いに使えそうな気もします。新しく流行らせてしまってもいいかもしれません。

 もちろん、今回違う言葉になってしまった「やる気」スイッチ銘板ですが、今後「=やる気」「~やる気」の正しく修正したバージョンを制作して頒布予定とのこと。むしろ「もり気」は貴重なエラー版ということにもなりそうです。

 どんこさんは、自身が活動する「鉄道・旅行・メカミリ(ジャンルコード:611)」や、同じホールに配置されることの多い「評論・情報(ジャンルコード:600)」ジャンルについて、次のように紹介してくれました。

 「コミックマーケットの中にはこのようなジャンルもある、という事を知らない参加者も大勢いらっしゃると思います。私たちは鉄道ジャンルで活動しておりますが、他にも旅行・メカミリ、評論・情報など不思議で面白いサークルさんが沢山ありますので、ぜひお時間を作ってお越しください」

 謎の「もり気」銘板が手に入る、鉄道サークル「えあせく」は、コミックマーケット101の2日目(12月31日)東2ホール「S-16b」に配置されています。このほかにも貨車の表記銘板や速度計・圧力計の缶バッジなど、多彩な同人誌やグッズがスペースに並ぶ予定とのことです。

<記事化協力>
どんこ@土曜日東S-16bさん(@do_n_ko_)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 痛恨の文字化けで「やる気」が「もり気」に せっかくだからコミケで頒布予定